2026-06-25
日本商工会議所と東京商工会議所は、6月12日に「中東情勢の緊迫化による中小企業へのエネルギー等の影響調査」の集計結果を公表した。
この調査は、中東情勢の緊迫化に伴う燃料費や石油化学製品の高騰、供給面の不透明感が地域中小企業の活動に及ぼす影響とその実態を把握することを目的に実施された。
調査は、2026年5月に全国47都道府県の各商工会議所の会員企業に対して実施され、2,497社から回答を得ており、その結果、原油や石油化学製品の価格上昇・供給不安が、多くの中小企業の経営に深刻な影響を及ぼしている実態が明らかになった。
まず、「燃料」・「石油化学製品」に関する経営への影響については、いずれも「価格上昇」を挙げている企業が最も多く、回答の約7割~8割を占めている。
個別にみると「燃料」の供給停滞・目詰まりを懸念している企業は全体の約3割であるのに対し、「石油化学製品」は、全体の5割以上の企業が供給停滞・目詰まりの影響を受けていると回答している。
経営への影響については、9割超(92.5%)の企業が何らかの影響が生じているとしており、具体的には、「仕入価格の高騰」(74.8%)が最も多く、「燃料価格の高騰」(62.9%)、「物流費の高騰」(38.7%)と続くなど、コスト負担の増加が上位を占めている。
コスト増加分の価格転嫁の状況については、「価格転嫁できている・一部できている」が約5割(46.6%)、「ほとんど価格転嫁できていない・していない」が約5割(48.4%)となっており、中小企業の多くが価格転嫁できず、利益を圧迫されながら事業を継続していることが伺える。
業種別では、建設業、製造業、宿泊・飲食業において「仕入価格の高騰によるコスト負担の増加」が8割以上と最も多く、特に建設業において、コスト負担の増加に加え、「仕入物資の停滞・目詰まりによる操業率・事業活動の低下」、「納期遅延や受注制限に伴う失注・売上の減少」が他の業種と比べて高い結果となっている。
このような状況への企業の対応としては、「上昇したコストの販売価格への転嫁」(39.7%)と販売価格への転嫁が最も多く、続いて「消費財等の在庫確保」(38.9%)、「燃料や原材料等の積み増し」(16.0%)など供給不安に備えた在庫確保の動きも見られた。
政府・自治体に求める対応については、「エネルギーの安定供給確保」が約6割(57.7%)と最も多く、個別支援策としては「電力・ガス料金の負担軽減」(24.2%)、「燃料費の負担軽減」(23.6%)などエネルギー・燃料価格への負担軽減を求める声が多いなかで、「資金繰り支援」(23.7%)などの声も多い状況となっている。
今回の調査結果からは、中東情勢の緊迫化が単なるエネルギー問題に留まらず、原材料の調達、物流、収益の確保など幅広く中小企業の経営を圧迫していることが伺える。
特に価格転嫁が進まない企業においては、経営体力の低下が懸念されており、安定供給の確保と負担軽減策が今後、重要な課題となっている。
(参考)「中東情勢の緊迫化による中小企業へのエネルギー等の影響調査」の集計結果について

