2026-05-13
国税庁は、このほど「源泉徴収票(給与所得・公的年金等)のみなし提出の特例に関するQ&A」(以下「Q&A」)を公表した。
源泉徴収票のみなし提出の特例とは、これまで、給与や年金等の支払をする事業者は受給者が住んでいる市区町村に支払報告書を提出するほか、源泉徴収票を事業者の所轄税務署にも提出する必要があったが、令和9年1月1日以後、市区町村に「給与支払報告書」又は「公的年金等支払報告書」(以下まとめて「支払報告書」という。)を提出した場合は、税務署にも提出したとみなされる特例である。
これにより、税務署に対して「給与所得の源泉徴収票」や「公的年金等の源泉徴収票」を提出する必要がなくなる。
公表したQ&Aは、このみなし特例について質問と回答の形式で解説している。
Q&Aではまず、問1で「源泉徴収票のみなし提出の特例」の概要について、令和9年1月1日以後に提出すべき源泉徴収票とは、令和8年分以後の源泉徴収票をいい、令和8年分から市区町村に支払報告書を提出することで、税務署に提出したとみなされるため、税務署へ源泉徴収票の提出が不要となると説明している。
なお、市区町村に提出された支払報告書は、市区町村において入力された後、税務署にデータ連携されることになる。
問2では、令和8年の途中で退職した従業員に係る給与所得の源泉徴収票について、令和9年1月1日以後に提出する場合は、「令和9年1月1日以後に提出すべき」ものとしてみなし特例の対象になると説明している。
問3では、源泉徴収票の受給者本人への交付については、引き続き、これまでどおり交付する必要があり、手続きについての変更はないとしている。
問4では、市区町村への支払報告書の提出方法としてeLTAX、光ディスクや書面などいずれの方法でも税務署に提出したとみなされるとの説明のほか、eLTAXで提出した場合は、従業員が確定申告する際、確定申告書に給与情報が自動入力(マイナポータル連携)されることから、従業員にとってメリットがあるとしている(公的年金等支払報告書は対象外)。
問8では、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」(以下「法定調書合計表」)の提出について、法定調書合計表は、6種類の法定調書の兼用様式であることを踏まえ、給与所得の源泉徴収票のみの提出の場合は提出不要であるが、給与所得以外の5つの法定調書(退職所得の源泉徴収票、報酬・料金・契約金及び賞金の支払調書、不動産の使用料等の支払調書、不動産等の譲受けの対価の支払調書、不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書)のいずれかを税務署に提出する場合は、引き続き、合計表の提出が必要としている。
問9ではe-Taxによる法定調書の電子的提出義務について説明されており、令和9年1月1日以後に提出すべき法定調書については、提出期限の前々年の1月1日から12月31日に提出すべきであった法定調書の枚数が30枚以上である場合、e-Tax、認定クラウド、光ディスク等のいずれかの方法で電子的に提出する必要があるとしている。
源泉徴収票のみなし提出の特例は、デジタル化に対応した新たな税務手続きの枠組みとして事業者の業務効率化と受給者の利便性につながると考えられている。
(参考)源泉徴収票(給与所得・公的年金等)のみなし提出の特例に関するQ&A
https://www.nta.go.jp/users/gensen/hotei/index/pdf/0026004-098.pdf
(参考)源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ

