2017年消費税負担率は3.79%、「逆進性」改善されず

日本生活協同組合連合会が発表した「家庭負担の消費税の調査」結果(有効回答数341世帯)によると、2017年の1世帯あたりの年間消費税負担額は平均24万145円だった。2016年より4111円減少したが、収入に占める割合は3.79%とほぼ横ばい、消費支出に占める割合は5.81%と変わっていない。同調査は、生協組合員一人ひとりが1年間の家計簿を見直し、消費支出から非課税部分(家賃や学校教育費など)を差し引いて税額を算出したもの。

収入に占める消費税負担額の割合を所得階層別にみると、年収400万円未満世帯では前年より0.51ポイントと大きく増加し5.72%。年間消費税負担額は、調査世帯全体で4111円減少しているにもかかわらず、この階層では1万3153円増加(2017年消費税負担額17万3149円)している。その他の階層では600~700万円台世帯が0.38ポイント減少(同24万6775円)し、それ以外は、ほぼ横ばいだった。

これにより、年収400万円未満世帯の年収に占める消費税負担の割合5.72%は、1000万円以上世帯の2.80%の2.04倍となり、2016年(1.95倍)よりもその差が開き、低所得世帯ほど消費税負担率が高いという「逆進性」は改善されなかった。所得階層別の消費税負担額が収入に占める割合の推移をみると、400万円未満世帯では、2005年時点で3.46%だった負担率が、2017年には5.72%と2.26ポイント増加している。

一方、1000万円以上世帯では、2005年の2.06%から2017年の2.80%と0.74ポイントの増加にとどまっている。このため、400万円未満世帯の負担率は1000万円以上世帯の2.04倍となり、2005年に1.68倍だった差が大きく開き、低所得世帯ほど消費税負担率が高いという「逆進性」が改善されていない。400万円未満世帯と1000万円以上世帯の負担率の差が広がったのは、2014年4月の消費税率8%への引上げからだ。

2019年10月には消費税率が現在の8%から10%に引き上げられることが予定されている。酒類・外食を除く飲食料品や週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)に対する税率を8%に据え置く軽減税率の導入も予定されているが、所得階層による負担率の格差が広がり、低所得世帯の消費税負担がさらに増し、「逆進性」が悪化することが懸念されている。

同調査結果は↓
https://jccu.coop/info/up_files/release_180320_02_03.pdf