2025-11-25
国税庁は、このほど「「調書方式」による住宅借入金等特別控除の適用について」(リーフレット)を公表した。リーフレットでは「令和7年分の年末調整からは、「調書方式」による住宅借入金等特別控除の適用を受ける従業員の方がいます。」と案内している。
「調書方式」とは、住宅ローンの債権者である金融機関等(調書方式に対応した金融機関等のみ)が税務署に「住宅取得資金に係る借入金等の年末残高等調書」を提出し、国税当局からマイナポータル等を通じて、納税者(従業員)に対して住宅ローンの「年末残高情報」をデータで提供する方式であり、金融機関等から書面による住宅ローンの「年末残高等証明書」は交付されない。
従来は、納税者が金融機関等から交付を受けた借入金の年末残高証明書を確定申告のときは税務署、年末調整のときは勤務先に提出する「証明書方式」で行っていた。
「調書方式」は、令和6年分の確定申告から適用されており、令和6年分の確定申告で「調書方式」による住宅ローン控除を行った納税者は、2年目となる令和7年分以降は、原則、「調書方式」による住宅ローン控除を年末調整で行うことになる。
年末調整において「調書方式」による住宅ローン控除を行う場合、これまで税務署から納税者に交付していた「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書兼住宅借入金等特別控除計算明細書及び年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」(以下「控除証明書等」)の交付時期がこれまでの「証明書方式」と異なっている。
「調書方式」による控除証明書等の交付は「電子交付」と「書面交付」があり、事前に納税者が希望した方法で交付となるが、「電子交付」と「書面交付」でも交付時期は異なっている。
「電子交付」の場合は、毎年11月中旬頃に納税者のe-Taxメッセージボックスに交付され、「書面交付」の場合は、入居2年目の11月下旬頃に納税者に入居2年目以降分が一括で郵送される。
なお、「電子交付」の場合は、控除証明書等の電子データを国税庁年末調整ソフトなどに取り込み、電子で控除申告書を作成するかe-Taxホームページの「QRコード付証明書等作成システム」で控除証明書等を書面作成して控除申告書を作成することになる。
「書面交付」の場合は、借入金の年末残高及び控除見込額が記載済の控除証明等が交付されるため、その内容を確認した上で、控除申告書を作成することになる。
注意すべき点として「調書方式」は、「調書方式」に対応した金融機関等のみ適用となっていることから、対応していない金融機関等はこれまでどおり「証明書方式」での年末調整となる。
また、「調書方式」により、借入金の年末残高及び控除見込額が記載済の控除証明書等の交付は、入居2年目のみのため、入居3年目以降も借入金の年末残高が記録された控除証明書等が必要な場合は、「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請手続」を行う必要がある。
(参考1)「調書方式」による住宅借入金等特別控除の適用について
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025008-044.pdf
(参考2)年末調整のための住宅ローン控除証明書の交付時期について
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/pdf/05.pdf
(参考3)年末残高調書を用いた方式(調書方式)に対応した金融機関の一覧
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/ichiran.htm

