国税庁、ID・パスワードの新規発行を停止

国税庁は9月25日、同庁ホームページにおいてID・パスワードの新規発行を停止すると発表した。
 
ID・パスワードとは、同庁ホームページにある「確定申告書作成コーナー」からe-Tax(電子申告)を利用して確定申告を行う場合に必要となるものである。
 
ID(利用者識別番号)とパスワードについては、事前に税務署で本人確認を行ったうえで、発行することとなっており、納税者は取得したIDとパスワードを使用してe-Taxを行うことから「ID・パスワード方式」と呼ばれている。
 
現在、e-Taxで確定申告を行うには、この「ID・パスワード方式」のほか、マイナンバーカードを使ってe-Taxにログインし、確定申告を行う「マイナンバーカード方式」の2通りの方法がある。
 
「ID・パスワード方式」については、マイナンバーカードを使用せずにe-Taxを行うことが可能であることから、マイナンバーカードが普及するまでの暫定的な対応としてこれまで運用されてきた。
 
現在、マイナンバーカードの保有率は国民の約8割となっており、「マイナンバー方式」でe-Taxを行う納税者も増加している。
 
このような状況の中、令和7年6月13日に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」において、「日本版記入済み申告書」(書かない確定申告)を実現するため、マイナンバーカードによるe-Taxを推進することとし、暫定的なe-Tax促進策である「ID・パスワードによる申告」は、廃止を含め在り方を検討し、2025年度中に結論を得ることとされた。
 
これを受け、国税庁は、令和7年10月1日より「ID・パスワード方式」で使用するIDとパスワードについて新規発行を停止することとした。
 
新規発行の停止により、e-Taxによる確定申告は「マイナンバー方式」に一本化されることになるため、初めてe-Taxを利用する納税者は、必ずマイナンバーカードが必要となる。
 
既にID・パスワードを取得している納税者については、新規発行の停止後も引き続き「ID・パスワード方式」を利用できることになっている。
 
今後の「ID・パスワード方式」に関する対応については、国税庁から改めて案内するとしており、廃止等のスケジュールは未定となっている。
 
(参考)ID・パスワードの新規発行停止について

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/pdf/idpw20251001.pdf