2024年度 65歳以上の消費生活相談の状況の公表

独立行政法人国民生活センターは、9月3日、契約当事者が65歳以上の消費生活相談について、2024年度に全国の消費生活センター等に寄せられた相談の状況をまとめ、公表した。
 
相談件数は増加傾向にあり、2023年度に引き続き不審なメールや電話、定期購入の相談が多く寄せられていた。相談の状況概要は下記のとおりである。
 
1.相談件数
契約当事者が65歳以上の相談件数は、2024年度304,130件で、2023年度の277,604件と比べ約26,500件増加した。相談全体に占める契約当事者が65歳以上の相談の割合も、2024年度は38.6%となり、2020年度以降で最高となった。
 
2.商品・役務等別の相談件数
2024年度の商品・役務等別の相談件数について上位の項目は、2023年度の傾向と大きな変化はなく、「商品一般」は不審なメールや電話を含むもので、実在する警察や通信会社、宅配業者等、様々な組織がかたられていた。また、「化粧品」「健康食品」「医薬品類」は、定期購入で商品を購入しトラブルにあったという相談が多くみられた。
2024年度に20位までの商品・役務で、2023年度より上位に上がってきた商品・役務は「他の電報・固定電話サービス」「その他金融関連サービス」「医薬品類」「携帯電話」「相談その他」で、このうち、「他の電報・固定電話サービス」は、通信事業者を名乗り、未納料金があるなどとして金銭を請求する不審な電話に関する相談が含まれていた。
年齢区分別にまとめた相談件数が多い商品・役務等については、どの年齢区分も「商品一般」「化粧品」「健康食品」が上位となっていた。80歳以上になると「移動通信サービス」や「インターネット接続回線」といった通信に関する相談は順位が下がり、「屋根工事」や「新聞」「医薬品類」に関する相談が上位にみられるようになっていた。
 
3.販売購入形態別の相談件数
2024年度における販売購入形態別の相談件数および割合を契約当事者の年齢区分別で比較すると、「通信販売」の各年齢区分の相談全体に占める割合は65歳〜69歳が最も高く、年齢が上がるにつれ割合が下がっていた。一方、「訪問販売」「電話勧誘販売」「訪問購入」は年齢が上がるにつれ割合が高くなり、85歳以上になると「通信販売」を抜いて「訪問販売」の割合が最も高くなる。これは一般に、年齢が上がるとともに在宅時間が長くなることにより勧誘を受けやすい環境にあることや、インターネット通販を利用する機会が少なくなることが一因と考えられる。
 
4.契約購入金額・既支払金額
2024年度における契約購入金額・既支払金額を契約当事者65歳以上と65歳未満で比較すると、契約購入金額は65歳以上において5万円未満が6割以上となっており、平均契約購入金額をみても65歳未満が約90万円、65歳以上は約71万円となっていた。なお、平均既支払金額は65歳未満が約45万円、65歳以上は約46万円とほぼ同額となっていた。
 
(参考)2024年度 65歳以上の消費生活相談の状況

https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20250903_1.html