国税庁「令和6年度における再調査の請求の概要」などを公表

国税に関する法律に基づく処分についての納税者の救済制度には、処分庁(税務署長等)に対する再調査の請求や国税不服審判所長に対する審査請求という行政上の救済制度(不服申立制度)と、裁判所に対して訴訟を提起して処分の是正を求める司法上の救済制度がある。国税庁は6月20日、「再調査の請求」、「審査請求」及び「訴訟」について、令和6年度における概要を公表した。
 
1 再調査の請求
発生件数は1,447件であり、前年度と比べ42.0%(1,047件)減少している。
税目別では、消費税が546件で最も多く、続いて申告所得税等が499件、法人税等が214件となっている。
処理件数は1,752件であり、処理件数のうち、納税者の請求が何らかの形で受け入れられた件数(認容件数)は91件(一部認容78件、全部認容13件)で、その割合は5.2%となっている。
また、簡易迅速な手続により納税者の権利利益の救済を図るため、標準審理期間を3か月と定めており、3か月以内の処理件数割合は98.7%となっている。
 
2 審査請求
発生件数は3,537件であり、前年度と比べ9.7%(380件)減少している。
税目別では、消費税が1,483件で最も多く、続いて申告所得税等が940件、法人税等が660件となっている。なお、相続税・贈与税は133件であるが、前年度と比べ11.8%(14件)増加している。
処理件数は3,872件であり、処理件数のうち、納税者の請求が何らかの形で受け入れられた件数(認容件数)は693件(一部認容522件、全部認容171件)で、その割合は17.9%となっている。
また、適正かつ迅速な事件処理を通じて、納税者の正当な権利利益の救済を図るため、標準審理期間を1年と定めており、1年以内の処理件数割合は99.4%となっている。
 
3 訴訟
発生件数は196件であり、前年度と比べ3.7%(7件)増加している。
終結件数は、168件であり、このうち、国側が敗訴したものは8件(一部敗訴3件、全部敗訴5件)で、その割合は4.8%となっている。
 
(参考)「令和6年度における再調査の請求の概要」

https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/2024/saichosa.pdf

 

(参考)「令和6年度における審査請求の概要」

https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/2024/shinsa.pdf

 

(参考)「令和6年度における訴訟の概要」

https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/2024/sosho.pdf